挑戦と成長の果てに:鮮やかな新緑のヴォージュ山脈 (Langenfels) で美しさとスリルが交錯するクライミング

5月はフランスでも祝日が多く、ストラスブール旧市街の空気には休日の喜びが漂っています。Fête du Travail (労働者の日) が 5月1日 (月曜日)、Victoire du 8 mai 1945 (第二次世界大戦終結記念日) が 5月8日 (月曜日) です。また、5月18日 (木曜日) が Ascension (キリストの昇天) で、Lundi de Pentecôte (聖霊降臨祭) が 5月29日 (月曜日) となっています。フランスでは、祝日が日曜日と重なっても、振り替え休日にならないため、この2023年は、祝日が平日のみの「当たり年」とのことです。


5月になり、空はだいぶ安定して青空が広がっていますが、例年の同時期と比べると、まだ雨の日が多いような気がしています。それでも、自然の魅力が溢れるヴォージュ山脈では、雨が降ることで生まれる清々しい空気と緑豊かな風景が、私たちクライマーを魅了して止みません。


多くのクライミング仲間は、この時期に1〜2週間のヴァカンスを取り、南フランスやドイツ、トルコなどのクライミング旅行に出かけているようです。そんな中、地元のアルザスで一緒にクライミングを楽しむ仲間を見つけるのはなかなか難しいですが、ようやくこの日はヴォージュ山脈に北の端、ドイツとの国境に近い Langenfels へクライミングに出かけることが叶いました。

久しぶりの Langenfels は、春の新緑が美しい季節になっていました。周りに広がる緑の世界が、私の心をエキサイティングにしてくれました。当日の天気も絶好のクライミング日和だったので、かなり賑わっているのではないかと思っていましたが、意外なことにクライマーの姿はほとんど見当たりませんでした。皆さんはおそらく、ヴァカンスを取って、普段訪れられない場所で登っているのかもかもしれませんね。 私たちのグループ以外には、ドイツ語圏から来たカップルと、後から合流した知り合いのカップルだけでした。静かで穏やかな状況で、私は心置きなくクライミングを楽しむことができました。


Ostwandriss (6a+) repeat

warming-up

Lémures et lamentations (6c) mOS

Langenfelsで何年もクライミングをしていますが、今回登ったルートは、他の人が登っているのを見たことがありませんでした。ルートはまさに想像通りで、大きなホールドを使って力強く登っていくものでした。ルートは長く、岩が脆そうな箇所もありましたが、個人的には、この様なアルパインちっくな長いルートが好きで、とても楽しむことができました。ただし、途中でビレイヤーが見えなくなる箇所がありました。その瞬間は集中力がさらに求められ、お互いの信頼関係と経験が重要でした。この緊張感と興奮が、クライミングの醍醐味の一つですよね 😆

Sang et lumière (7c) 敗退

attempt 6: まずはクイックドロー掛けからです。ムーブの核心部手前まで進むことを目指し、慎重に探りながら登っていきました。しかし、途中で力尽きてしまい、核心手前のポイントで敗退。

attempt 7:離陸はだいぶ慣れてきたけれど、意外と中間部が難しいことに気づきました。一手一手掴むホールドが遠く感じられました。そして、核心部手前のヒールフックが上手くかからず、フォール。

attempt 8:すでによれよれでしたが、クイックドローを回収するために再び登りました。このルートでは、核心部を含めて3つのポイントをまだ繋げることができないことが分かりました。


ヴォージュ山脈にある Langenfels は、初級者から中級者ぐらいまでクライマーが楽しめるクライミングエリアです。赤茶けた岩峰と、木々の緑が私たちを包み込んでくれます。まるで自然が私たちを迎え入れるかのような感覚に、ワクワクが止まりませんでした。


登る前のワクワク感と緊張感は、クライミングの醍醐味ですよね。手に汗握り、心は高揚し、不思議なほどに集中力が高まります。一歩一歩上昇していく度に、景色は一段と壮大に広がります。息をのむような眺望とともに、達成感と喜びが満ちていきました。


またクライミングを楽しむということは、自然との対話でもあります。自分の限界に挑戦しながら、自然の息吹を感じることができるのです。Langenfels の岩肌に触れながら、自然と一体になる感覚は言葉では表現しきれません。 その日のクライミングを終えて、満足感と幸福感に包まれました。ヴォージュ山脈の魅力とクライミングの醍醐味を存分に味わえた一日でした。お誘いありがとうございました。

活動内容:Jérôme・Anaïs・Victor、Lémures et lamentations (6c) mOS

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